公開日時:2019年2月14日 最終更新日:2020/04/09
ノンシリコンシャンプーは髪や頭皮に優しいは本当?ノンシリコンの意味とは?
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2008年頃にブームとなり、今ではシャンプー業界のスタンダードになりつつある、ノンシリコンシャンプーですが、本当に髪や頭皮に優しいのでしょうか?
何となく、人から聞いたり、おすすめされていたりで「ノンシリコンシャンプーが良いらしい!?」と思っているけど、実際のところ、どうして良いのかわからないという人も多いと思いますので、ノンシリコンシャンプーとはどのようなシャンプーなのかについてしっかりと説明したいと思います。
ノンシリコンシャンプーとは?
世間ではノンシリコンシャンプーと呼ばれていますが、ノンシリコンシャンプーという呼び方は本当は誤りです。
正しくはノンシリコーンシャンプー(以下、一般の呼び名としてのノンシリコンシャンプーを使用)となります。
シリコンは元素であり、ミネラルでもある珪素(ケイ素)を意味し、シリコーンは珪素を含む有機化合物の総称を意味するため、別物となります。
シャンプーに配合されるシリコーンはコーティング成分であり、髪表面をコーティングすることで髪の質感を高めてくれます。
ノンシリコンシャンプーというのはコーティング成分であるシリコーンが使われていないシャンプーを指します。
ノンシリコンはシリコンフリーやシリコン無添加と表記されることもあります。
シャンプーに配合されるシリコーンの種類
シャンプーに配合されるシリコーンには種類があります。
シリコーンの一部をご紹介します。
- ジメチコン
- シクロメチコン
- シクロペンタシロキサン
- アミノプロピルジメチコン
- PEG-○ジメチコン
- トリシロキサン
- ステアロキシトリメチルシラン
- (アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー
見てお分かりのとおり、成分名にメチコンやシロキ、シランといった言葉が入っている成分がシリコーンであることが多いです。
ノンシリコンシャンプーは髪と頭皮に優しい?
では、コーティング成分であるシリコーンが配合されていないシャンプーは本当に髪や頭皮に優しいのでしょうか?
シリコーン自体は髪や頭皮への負担は少ないとされる成分です。
それなのにシリコーンが使われているシャンプーよりもノンシリコンシャンプーの方が髪や頭皮に優しいと言われるようになった理由は主に下記の2つが挙げられます。
- シリコーンが髪から剥がれる際にキューティクルも一緒に剥がしてしまう
- 頭皮の毛穴にシリコーンが詰まり、抜け毛の原因となる
このような理由によってシリコーンが無添加であるシャンプーの方が髪や頭皮に優しいと言われ、ノンシリコンシャンプーブームとなりました。
ただ、上記の2つの理由については、賛否が分かれております。
シリコーンがキューティクルを剥がすのではなく、キューティクルが剥がれる際にシリコーンも一緒に剥がれるだけという意見や、一時的に毛穴にシリコーンが毛穴に詰まったとしても、洗ったり、髪の成長によって、ずっと詰まっているとは考えにくいため、懸念するほどではないといった意見などが反対意見としてあります。
このようにシリコーン賛成派、反対派があるわけですが、いずれにせよ、一つだけ確かなことがあります。
それは、ノンシリコンシャンプーだからといって髪や頭皮に優しいとは限らないということです。
シャンプーには洗浄成分や保湿成分、コーティング成分、防腐成分など様々な成分が配合されていますので、髪や頭皮への負担をシリコーンの有無だけで判断することはできません。
シリコーンはシャンプーに必要?
シリコーン自体は刺激の少ない成分であるため、シリコーンが配合されていることが直接、髪や頭皮に悪影響を与えるとは考えにくいです。
また、シリコーン入りシャンプーに比べ、ノンシリコンシャンプーは髪のきしみが生じやすい場合があり、髪の質感を良くするため、シリコーンの代わりに別のコーティング成分が配合されていることもあります。
ただ、頭皮環境を整え、健やかな髪を育てたいのであれば、シリコーンは不要かもしれません。
なぜなら、シリコーン自体は髪表面のコーティング効果をもたらす成分であり、髪に栄養を与えたり、保湿をしたりするわけではないからです。
ダメージが蓄積し、乾燥したパサパサ乾燥毛の場合にはシリコーン入りのシャンプーを使うことで、コーティング効果により一時的に髪の質感を良くすることができますが、髪自体が補修されるわけではありません。
その場しのぎではなく、ハリ・コシ・ツヤのある本来の美しい髪を育てたいのであれば、ノンシリコンシャンプーがおすすめです。
髪や頭皮にやさしいノンシリコンシャンプーを選ぶ際のポイント
ノンシリコンシャンプーだからと言って髪や頭皮に優しいわけではありませんが、髪や頭皮にやさしいノンシリコンシャンプーはもちろんあります。
髪や頭皮へのやさしさを求めてノンシリコンシャンプーを選ぶ際の確認ポイントは下記の通りです。
- 洗浄成分
- 無添加成分
- 配合成分の数
シャンプーの質は洗浄成分で決まる
多くのシャンプーは水の配合量が最も多く、次に洗浄成分が多く配合されています。
配合量が多い成分だからこそ、洗浄成分の髪や頭皮に与える影響は大きくなります。
洗浄成分にはアミノ酸系やベタイン系、硫酸系など色々な種類がありますが、髪や頭皮をやさしく洗うにはアミノ酸系やベタイン系の洗浄成分が適しています。
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無添加は中身が大切
無添加という言葉が付いているだけで安心せず、しっかりと「どのような成分」が無添加なのか対象となる成分を確認しましょう。
無添加の対象となる成分は髪や頭皮への負担となりえる成分なので、できる限り無添加の対象となる成分の数が多いシャンプーがおすすめです。
シンプル成分がおすすめ
成分がたくさん入っている方が贅沢な気がしがちですが、人によっては成分にアレルギーがありますので、成分が多いとアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因となる物質)となりうる成分が入っている可能性が高くなります。
アレルギーによって頭皮の肌荒れが起こることも考えられますので、なるべく全成分数が少ないシンプルなシャンプーを選ぶと良いでしょう。
まとめ
ノンシリコンシャンプーがおすすめかどうかは何が目的かによって変わってきます。
コーティングにより髪の質感を良くしたい方にはシリコーン入りのシャンプーが適していますし、髪本来の美しさを引き出したい方にはノンシリコンシャンプーが適しています。
ただ、ノンシリコンシャンプーが全て髪や頭皮に優しいわけではなく、配合されている成分構成次第で変わってきますので、洗浄成分や無添加の対象となる成分、全成分の数などをしっかりと確認した上で選ぶことが大切です。
この記事を書いた人
古家後健太
<執筆者プロフィール>
化粧品成分検定1級合格(化粧品成分上級スペシャリスト)。ベビースキンケアと子育て情報の育児メディア『マンビーノ(mambino)』運営責任者。株式会社SANSHIN代表取締役。赤ちゃんのお肌の特徴を知れば、赤ちゃんこそスキンケアが必要なのがわかります。ですが実際はベビースキンケアの重要性は世間にあまり浸透していませんでした。赤ちゃんのお肌をトラブルから守るためには、しっかりと赤ちゃんのお肌に必要なケアを広める必要があると思い、2014年にオリジナルベビースキンケアブランド「Dolci Bolle(ドルチボーレ)」を立ち上げました。子供のお肌を守りたいというママやパパの想いに寄り添う化粧品をお届けします。
化粧品成分上級スペシャリスト認定書
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提供:株式会社SANSHIN