公開日時:2019年2月25日 最終更新日:2020/05/22
子供の癇癪がひどい時はどうしたら良い?原因と親が出来る対策
癇癪(かんしゃく)というのは急激に激しい怒りが湧き上がり、怒鳴ったり物に当たったりするような様子のことで、昔から大人でも癇癪持ちと呼ばれる人がいるものです。
ではなぜ子供は癇癪を起こすのでしょうか。
その理由や癇癪を起こしたときの対応策、また取ってはいけない親の行動などについても合わせて考えてみましょう。
子供はなぜ癇癪を起こすの?
「子供の癇癪がひどくて・・・」
「子供が急に癇癪を起こすようになって・・・」
など子育てをしていると癇癪という言葉を聞く機会も増えるかと思います。
子供の癇癪は主に自分の気持ちに言葉や行動が伴わなくて、怒りやいらだち、もどかしさが感情の昂ぶりとなって起きています。
癇癪を起こしている状態とは?
癇癪を起こしたときの子供の行動には、具体的にどんな症状や行動があるでしょうか。
- 大声で叫ぶ
- 泣きわめく
- 金切り声を上げる
- 床にひっくり返る
- 暴れる
- 足を踏み鳴らす
- 手足をばたつかせる
- ものを投げつける
- 人を叩いたり蹴ったりする
- 自分を叩いたり頭を打ち付けたりする
- 自分の髪の毛を引っ張る
などなど、一度始まると親でも手がつけられないような状態になる子供もいます。
こうした行動は場所や状況を問わず突発的に始まるので、親としてもホトホト困り果ててしまうものですね。
特にひと目がある場所だと、まるで自分の子育てが間違っていると言われているような気持ちになって、泣きたくなってしまう場面もあることでしょう。
癇癪は特別なことではない
実は子供は基本的に癇癪を起こすメカニズムを持っているものです。
ただその程度はそれぞれで、癇癪などを起こしているのを見たことがないというような、おっとりとしたおとなしい子供もいれば、感情の起伏が激しくて激烈な癇癪を起こす子供もいます。
我が子の癇癪が激しいと、なにかの問題があるのではと心配になってしまうかもしれません。
ところがある時突然、ぴったりと癇癪を起こさなくなることもありますし、その後はウソのように大人しい子供になることも珍しくありません。
癇癪は子供の成長の過程で起きる自然なことなので、自分の子育てを不安に思ったり、病気を疑うような必要はほとんどの場合ないと考えていいでしょう。
子供が癇癪を起こす理由とは?
癇癪が多くなる2才前後というのは、子供の記憶力が発達してきたり、自立心が芽生えてくる時期です。
このくらいになると子供は、大人も驚くほどはっきりと以前の物事を覚えているのだそうです。
するとそのときの記憶が後々もよみがえり、まったく同じことをしたいと思うようになるそうです。
自分の頭の中では自分でも大人と同じことができると思うのですが、実際にはできないことも多いですね。
また前に楽しかったときと同じようにしたいと思っても、親はそのことに気づきませんので、子供が何をしたがっているのか真意がわからないときも多いでしょう。
すると子供は思うようにいかないことに苛立ち、もどかしい気持ちをどう表現していいのかわからずに、癇癪を起こすというわけです。
大人のように感情のコントロールをしたり、自分の気持ちを言葉でうまく表せないことから、こみあげるイライラをどう処理してよいのかわからないのですね。
つまり子供の癇癪は成長の証でもあるのです。
ここをしっかりと押さえておけば、親が不必要な心配や不安に襲われることもなくなるのではないでしょうか。
子供の癇癪にはどう対応するのがいい?
とはいえ、やはり子供が激しい癇癪を起こすと、どう対処して良いのか戸惑うこともあると思います。
一番大切なことは子供の気持ちをわかろうとしてあげることです。
パパやママが自分の気持ちを理解してくれると感じると、子供は安心して次第に感情の爆発も落ち着いていきます。
落ち着くまで見守る
子供がひどく興奮していて暴れ方がすごいときは、何もせずに落ち着くのを見守るのがいいでしょう。
周囲に危険なものがないか、頭を打ち付けるなど自虐的な行為をしていないかに注意しながら、子供のそばにいてあげます。
抱きしめる
子供が嫌がらなければ、抱きしめて背中をなでたり手を握るなどのスキンシップをしてみましょう。
スキンシップは親の愛情が子供に伝わる一番の方法とも言われます。
パパやママに抱っこしてもらうことで、苛立った子供の気持ちもほぐれていくかもしれません。
理解してあげる
「これがほしかったんだね」「これが嫌だったんだね」など言葉がけをしてあげながら、子供の気持ちを受け止めてあげるのも効果が期待できると言われています。
自分の気持ちを親が理解してくれると感じれば、子供の中に信頼感が育ちます。
体をはって止める
公共の場や誰か他の人や子供たちがいる場所で癇癪が始まったら、両手をつかむ、抱きしめる、それでも収まらない場合は抱えてその場を離れるなどすることも必要です。
物を投げつけたり人を叩いたりする場合も同じです。
その場で子供を叱っても逆効果になるので、子供が落ち着いてから、やってはいけないことを言い聞かせるようにしましょう。
子供が癇癪を起こしたときにしてはいけないこと
逆に子供が癇癪を起こしたときに、親がとるべきではない行動があります。
基本的にイライラした態度を見せたり、怒ってその場を離れるなどはいけません。
無視する
「もう知らない!好きにしなさい」などと言ってその場に子供だけを置いていなくなったり、無視をするのは余計に子供の戸惑いや苛立ちに火を注ぎ、癇癪が長引くこともあります。
また親のそうした態度は人への信頼感を失い、不信感を育てる芽になるという専門家もいます。
怒鳴りつけて怒る
癇癪を止めようと、「やめなさい!」などと大きな声で怒鳴って押さえつけようとするのも良くありません。
親が感情的になってイライラすると、それが子供に伝わってますます癇癪がエスカレートする可能性があります。
できるだけ穏やかな態度で接するように努力しましょう。
ものを与える
機嫌をとるためにおもちゃやお菓子などを安易に与えるべきではありません。
癇癪をおこせば好きなものが手に入るという学習をしてしまい、欲しいものを手に入れる手段として身につけてしまう恐れがあります。
癇癪とワガママは違いますが、対応をあやまるとその境界があやふやになってしまうかもしれません。
親も子もストレスがたまらないように
子供の癇癪は突然起こるものですが、やはり起こすきっかけとなりやすい事柄があります。
往々にして子供は眠い、お腹が空いた、疲れたといった状態では機嫌が悪くなり、ぐずりやすくなります。
癇癪もこうした状態のときに起こしやすくなるので、親の都合に合わせて生活させるのはやめましょう。
またどんなにイライラしないで穏やかにと思っていても親も人間ですから、自分の体調が悪かったりストレスがたまっていたりすると、落ち着いた気持ちで対応できないときもあるでしょう。
子育ては長丁場です。
できるだけ自分も上手に息抜きをして、心身ともにストレスを発散する時間を持つようにしてください。
ママが一人だけで対応するには限度がありますから、ぜひパパと一緒に役割分担をしながら、子供の気持ちを受け止めて整理し、ダメなことはダメと教えていくようにしたいですね。
夫婦だけでツライときには、家族や行政の力を借りることも躊躇しないでください。
発達障害などの一部の障害がなければ、子供の癇癪はいつかは収まるものですので、大人の経験と知恵を持ち寄って乗り切っていきましょう。
提供:株式会社SANSHIN