公開日時:2019年3月25日 最終更新日:2019/09/18
【医師監修】くしゃみ連発の新生児の原因や鼻水・鼻詰まりの対処法まとめ
この記事の監修ドクター
清水なほみ医師
<監修者プロフィール>
2001年広島大学医学部医学科卒業
中国がんセンター産婦人科・ウィミンズウェルネス銀座クリニック・虎の門病院産婦人科を経て、2010年9月「ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~」を開業
日本産科婦人科学会専門医/日本不妊カウンセリング学会認定カウンセラー
所属学会:日本産婦人科学会・日本性感染症学会・日本思春期学会・日本不妊カウンセリング学会
▼ポートサイド女性総合クリニック
http://www.vivalita.com/
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新生児のくしゃみや鼻水・鼻詰まりは、ママにとっても大きな心配事ですね。
赤ちゃんが苦しそうにしているのを見ると、どうしていいのかわからず途方にくれてしまうかもしれません。
ですが新生児のくしゃみや鼻水は、心配のない特有の症状であることも多いのです。
新生児ならではのくしゃみの原因や、鼻水・鼻詰まりの対処法をご紹介します。
新生児がくしゃみを連発するわけは?
新生児の赤ちゃんがくしゃみをするのには、新生児特有の理由があります。
くしゃみの原因を見つけて対処してあげれば、くしゃみが少なくなる可能性もあります。
鼻の粘膜が未成熟
新生児はまだ鼻の粘膜が未成熟で、ほんの少しの刺激にも敏感に反応してくしゃみが出ます。
また鼻毛がほとんどないので、大人に比べると異物やホコリが入りやすく、粘膜を直接刺激しやすいという理由もあります。
環境の刺激も原因になる
新生児は体の機能もまだ様々な面で未熟なため、急にまぶしい光を浴びるなどの光の明暗、わずかな温度差、湿度の差などが刺激となってくしゃみが出ることもあります。
中にはおしっこやうんちの時のお腹の動きやおむつの汚れに反応して、くしゃみをする赤ちゃんもいます。
アレルギーや風邪
新生児はママからもらった免疫がありますが、まだ免疫機能が低いため、アレルギーや風邪の症状が出てしまう場合があります。
くしゃみをするときの対策は?
光や温度差の刺激によるくしゃみは心配いりませんが、赤ちゃんのくしゃみが続くときはアレルギーの可能性もあります。
その場合は赤ちゃんの鼻や喉の粘膜に、できるだけ刺激を与えない工夫が必要です。
掃除は念入りに
床の掃除を丁寧にするのはもちろん、カーテンや家具、家電などについたホコリも念入りに拭き取って、空気中にホコリやダニが舞わないようにします。
エアコンや空気清浄機などのフィルターも、こまめに掃除をして清潔にしてください。
掃除中は赤ちゃんは別の部屋に移し、換気をすませて部屋の空気がキレイになってから、戻してあげるようにしましょう。
ベッドまわりを清潔に
タオル類や布団、枕カバーなどは頻繁に洗濯をし、クッションやぬいぐるみなどのダニの温床になるものは周りに置かないようにしましょう。
赤ちゃんは汗っかきなので、布団もカビが生えないように干したり掃除機で吸ったりして、ダニの発生を防ぎましょう。
換気と加湿
空気清浄機を置いていても、窓を開けての換気は必要です。
数時間に一度は窓を開けて、部屋にこもった空気を入れ替えましょう。
また乾燥はくしゃみや鼻づまりの原因になります。
部屋に湿度計を置いて、湿度が低いときは濡れたタオルを干したり加湿器を利用するなどして、適度な湿度を保つようにしてください。
新生児の鼻水・鼻詰まりの原因
新生児は鼻の粘膜が弱くて刺激に敏感な上に、鼻の穴も小さくて狭いので、鼻水や鼻詰まりを起こしやすいという特徴があります。
鼻水には2種類のタイプがあり、原因を知る手がかりになります。
鼻水には菌の侵入を防ぐ働きが
鼻水は悪い菌が体内に侵入しないように、菌を外へ押し出す働きをしています。
とはいえ、あまりにも鼻水が多いと、それが喉に流れ込んで苦しいなど、熟睡を妨げることもあります。
鼻水が透明でサラサラしているのは、ちょっとした刺激に反応しているだけで心配ない事が多いのですが、アレルギー性鼻炎の可能性もあります。
アレルギーが疑われる場合は、小児アレルギー専門の病院で診てもらうとよいでしょう。
鼻水の状態によっては受診も
黄色っぽくてドロドロした鼻水が何日も続いていたり、発熱や咳、下痢やおっぱいをあまり飲まないなどの症状が一緒にあるときは、風邪などの感染症の疑いもあるので小児科を受診したほうがいいでしょう。
新生児は、風邪をひいても熱が出ないことが多いため、発熱の有無はあまり判断材料になりません。鼻水以外の風邪症状があるかどうかや、苦しそうにしたりいつもより元気がないといった症状があるかをチェックしてみましょう。
鼻水・鼻詰まりの対処法は?
赤ちゃんが鼻水や鼻詰まりで苦しがっていたら、すぐに対策をしてあげましょう。
鼻呼吸をするので鼻詰まりがあると授乳も大変ですし、うまく眠れずにグズグズしたり機嫌が悪くなることもあります。
次のような対策を取ってみてください。
- 部屋を温かくして加湿する
- 布団や衣服を増やして体を温める
- 熱がなければ沐浴で蒸気を吸い込ませる
- 鼻の付け根や鼻の下に蒸しタオルを当てる
- 鼻くそが詰まっているときは見える範囲だけ綿棒などで取る
- 頭をタオルなどですこしだけ高くして寝かせる
新生児の鼻水をとる方法
新生児は肌が柔らかく刺激ですぐに赤くなったり、ただれたりするので、鼻水はやわらかいティッシュやぬるま湯で絞ったガーゼなどで、そっと優しく拭き取ってあげましょう。
くしゃみをさせる
ティッシュでこよりを作って、先端をそっと鼻の中に入れてくしゃみを誘います。
くしゃみと一緒に鼻の奥にある鼻水が出てきます。
綿棒で取る
ベビー用綿棒を赤ちゃんの鼻の穴に入れて、ゆっくりと回しながら引き抜くようにします。
鼻の中の鼻水をからめとるような感じです。
赤ちゃんが顔を動かさないように片手でしっかりと押さえて、あまり深くまで綿棒を入れないように注意しながら取ってください。
吸引器を使う
鼻水がたくさん出ているときは、ベビー用品店やドラッグストアにある鼻水吸引器が便利です。
吸引器を使うときは赤ちゃんの頭をしっかりと固定して、弱めの圧でゆっくりと少しずつ吸うようにしましょう。
鼻の奥まで押し込んだり強い圧で使うと、鼻の粘膜が傷ついたり耳がキーンとなることがあります。
耳鼻科で吸ってもらう
これらの方法でもどうしても上手くいかないときは、耳鼻科の先生に吸引してもらうという方法もあります。
新生児でも対応してくれるかどうかを、最初に確認してから受診しましょう。
また病院でウィルスや菌をもらわないよう、時間帯を選んで患者さんの少ないときに行く、呼ばれるまでパパと車で待機してもらうなどの方法を考えて、最小限の滞在時間ですむようにして受診するといいでしょう。
鼻詰まりがひどいのは新生児期特有のもの
新生児の赤ちゃんはまだ体も小さくて頼りないだけに、くしゃみや鼻水、鼻詰まりだけでもとても苦しそうで心配になりますね。
ですが、赤ちゃんはどんどん成長してこうした心配も減っていきますし、対応するママも少しずつ慣れていきます。
あまり心配しすぎずに、赤ちゃんと一緒に乗り越えてくださいね。
この記事を書いた人
古家後健太
<執筆者プロフィール>
化粧品成分検定1級合格(化粧品成分上級スペシャリスト)。ベビースキンケアと子育て情報の育児メディア『マンビーノ(mambino)』運営責任者。株式会社SANSHIN代表取締役。赤ちゃんのお肌の特徴を知れば、赤ちゃんこそスキンケアが必要なのがわかります。ですが実際はベビースキンケアの重要性は世間にあまり浸透していませんでした。赤ちゃんのお肌をトラブルから守るためには、しっかりと赤ちゃんのお肌に必要なケアを広める必要があると思い、2014年にオリジナルベビースキンケアブランド「Dolci Bolle(ドルチボーレ)」を立ち上げました。子供のお肌を守りたいというママやパパの想いに寄り添う化粧品をお届けします。
化粧品成分上級スペシャリスト認定書
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提供:株式会社SANSHIN