公開日時:2019年3月26日 最終更新日:2019/05/02
新生児の体温は何度が正解?上手な測り方と計る部位について
毎日が新しい発見で楽しみも幸せもいっぱいの反面、心配や不安もつきないのが新生児の育児ですよね。
大きな不安のひとつに、赤ちゃんの発熱があると思います。
新生児の体温は何度くらいなのでしょうか。またどのくらいの体温なら心配ないのでしょうか。
体温の上手な測り方や測る部位についても解説します。
新生児の体温の特徴は?
乳幼児の体温は36.5℃から37.4℃が正常範囲とされていますが、中でも新生児の体温は最も高く、生後1ヶ月までの平均体温は36.6℃程度です。
新生児はまだ自分で上手に体温を調整することができません。
新生児の体温は高めが正解
生後数日の新生児から生後約1ヶ月頃までの赤ちゃんの体温は大人に比べ高めで、平均で36.6~36.7℃くらいであり、37.0℃を超えることも珍しくありません。
平均値は36.6℃前後となりますが、個人差もありますし、体温を「寝起きすぐ、午前中、夕方、夜寝る前」といった具合に1日4回検温した場合、一日の中でも0.1℃前後、体温に変動が生じます。
赤ちゃんの平均体温は生後100日頃になると徐々に下がり、1歳を超えると、平均体温は新生児の体温に比べ、0.3~0.5℃程度下がります。
赤ちゃんの場合は平熱が高めであり、37.5℃以上になると発熱と見なされます。
ただし、38.0℃を超えるような高熱の場合でも子供の機嫌が良かったり、反対に熱自体は高くなくても子供がぐったりする場合もあるため、一概に体温だけで様子見で問題ないのか、病院の受診が必要なのかの判断をすることは難しいと言えます。
なぜ新生児の体温は高いの?
私たちは普段あまり意識せずに体温を測って、熱があるない等と言いますが、体温には深部温と皮膚温というものがあるのをご存知ですか?
深部温というのは体の中の内蔵部分の熱で、いろいろな組織や皮膚の細胞を通って皮膚の表面では低くなります。
皮膚温は外気に触れている体の表面の温度です。
大人は皮膚が厚いので皮膚温は低くなるのですが、新生児はまだ皮膚がとても薄いため、その分、皮膚温も高くなるのです。
最初は体温が高い新生児も、皮膚が厚くしっかりとしていくうちに、皮膚温は下がっていきます。
小学校高学年になる頃には、大人と同じくらいの体温になるとされています。
新生児は体温調整がうまく出来ない
- 体が小さいのに表面積が大きい
- 皮下脂肪が少ない
- 汗腺が小さくて未発達
- 体温調整を担う自律神経が未熟
これらの理由から新生児はまだ体温調整をするのが苦手で、周囲の環境や状況の影響を受けて、すぐに体温が上がったり下がったりします。
衣服の枚数や布団、室内の温度やエアコンの使い方などに注意をして、快適な温度環境を作ってあげるようにしましょう。
新生児の体温リズム
人の体には体温リズムというものがあって、1日のうちでも体温は常に変わっています。
昼は高くなり、夜は低くなるのが普通です。
新生児はどうかというと、まだこうした体温リズムはできていません。
1日の体温の変化は少ない
生まれたばかりの赤ちゃんは、上記で説明したような理由から、体温調整が自分では上手く出来ません。
体温リズムというよりも、周りの環境や生理的な現象に左右されて、体温が簡単に上がったり下がったりします。
1日の中での変動は小さくて、授乳をすると上がる、泣くと上がる、眠ると下がるといった形で変わります。
眠くなると手足が温かくなるのは?
赤ちゃんは眠くなると、手足がポカポカと温かくなってきます。
赤ちゃんの手足を触ってみて、そろそろ眠くなってきたなと目安にしているママも多いですよね。
これは眠くなると手足の血管に血液を多く流して外気に触れさせることで、血液の温度を下げようとする現象によるものです。
血液の温度を冷やすことで体の内部の深部温を下げ、ぐっすりと熟睡することができます。
体温調整の仕組みができるとリズムもできる
新生児のうちは上手に体温調整できない赤ちゃんも、月齢が上がるにつれて次第にリズムが生まれてきます。
眠る前に手足を温かくするのも、体温調整機能が作られているからです。
1~2才になると少しずつメリハリが出て、体温リズムもできてきます。
赤ちゃんの低体温に注意
最近では赤ちゃんにも低体温が増えていると言われています。
原因として考えられているのが、次のようなことです。
- 汗が蒸発するときに体温を奪う
- エアコンや扇風機の風に長時間当たっている
- 室内の温度が低すぎる
- 生活リズムが乱れている
特に新生児は自分で動くことができませんから、細心の注意を払ってあげましょう。
- 汗をかいたらこまめに拭いたり着替えをさせる
- 赤ちゃんに直接当たらないように風の方向を調整する
- 室温は適温を保つ
- 赤ちゃんの生活リズムを壊さないように大人が合わせる
これらの方法で、低体温から赤ちゃんを守ってあげてください。
体温の上手な測り方のコツ
新生児はまだ体温リズムが出来ていないとはいえ、時間帯によって体温は変わります。
時間帯別のおおよその平熱を知っておくと体調管理に役立ちます。
熱を測ろうとするとグズリだす赤ちゃんもいますので、測り方や使用する体温計を工夫してみましょう。
体温は1日に4回測る
朝起きてすぐ、午前中、夕方、夜寝る前の4回、体の状態が安定しているときに測るようにするといいでしょう。
食後や泣いたあとなどでは体温が上がるので、赤ちゃんが落ち着いているときに測ってください。
この記録をつけておくと、1日の中での体温の変化や平熱がわかってきます。
正しい体温の測り方
脇の下で測る場合は脇の下の汗をきれいに拭き取ってから、体温計の先が脇の一番深い部分に当たるようにして挟み、上から軽く腕を抑えます。
耳で測る場合は、耳たぶを軽く後ろに引っ張り、鼓膜に向けて耳にフィットさせます。
このときしっかり測ろうとするあまり、先端を深く差し込まないように注意してください。
どちらで測ってもかまいませんが、毎回同じ方法で測ってください。
新生児の体温を測る体温計の種類
赤ちゃん用の体温計は大人用と比べて、熱が測りやすい工夫がされています。
赤ちゃんを迎える準備のひとつとして、用意しておくと便利です。
脇で測るものの他にも、おでこや耳で測るもの、非接触体温計などがあります。
体温計を脇に入れると嫌がって大泣きする赤ちゃんもいますが、泣くとそのせいで体温が上がってしまい、正確に測れないということになります。
その場合は寝ているときに耳で測れる体温計に変えてみるなど、工夫してみてください。
体温計は使い方で選ぶ
非接触体温計は赤外線センサーに反応してササッと熱が測れ、赤ちゃんが寝ている間にワンタッチで検温できるのでとても使いやすいのですが、正確性には少しだけ欠ける心配もあります。
耳で測るタイプは操作が簡単なものが多く、新米ママやパパの強い味方です。
赤外線センサーでは正しく測れているか不安という方には、脇で測る電子体温計がおすすめです。
発熱かな?と思ったら慌てずに落ち着いて対応を!
赤ちゃんは言葉で体の不調を伝えることができませんので、体温の変化は不調を知る大切なサインになります。
赤ちゃんの体調を把握する手がかりとして、平熱を知っておくと安心です。
新生児はちょっとしたことでも熱が高くなりますので、いつもより少し高いかな?と思っても慌てずに、室温が高くないか、布団や衣服を着せすぎていないかなどを確認し涼しくして様子をみましょう。
熱があっても赤ちゃんの機嫌がよく、授乳や睡眠、うんちに変わりがない場合はあまり心配しなくても大丈夫です。
反対にそれほど高熱ではなくても、様子がおかしいと思ったら迷わず小児科を受診してください。
赤ちゃんの不調は熱とその他の様子をよく見極めて判断します。
そのためにも、普段から赤ちゃんのことをよく観察しておくことが大切です。
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