公開日時:2019年4月1日 最終更新日:2019/09/30
【医師監修】新生児が風邪の症状の時小児科で受診は必要?急を要する症状とは?
この記事の監修ドクター
清水なほみ医師
<監修者プロフィール>
2001年広島大学医学部医学科卒業
中国がんセンター産婦人科・ウィミンズウェルネス銀座クリニック・虎の門病院産婦人科を経て、2010年9月「ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~」を開業
日本産科婦人科学会専門医/日本不妊カウンセリング学会認定カウンセラー
所属学会:日本産婦人科学会・日本性感染症学会・日本思春期学会・日本不妊カウンセリング学会
▼ポートサイド女性総合クリニック
http://www.vivalita.com/
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まだ新生児なのに赤ちゃんが発熱したらママは非常に不安になることと思います。
37.5度以上なら迷わず病院に行く必要がありますがそうでない場合、風邪なのか他に原因があるのか考えられる理由についてご紹介します。
鼻水や鼻づまり、発熱の症状の際の参考にしましょう。
新生児の発熱はすぐに受診すべき?
新生児の赤ちゃんは自分で病原菌やウイルスに対する免疫を自分で作ることができません。
そのため産まれてくる前にママから抗体をもらって産まれてきます。
通常なら新生児の時期に発熱は伴わず、風邪をひいたら咳や鼻水などの症状だけが出現します。
重大な病気の場合、37.5度以上の熱が出る場合もあるため、その場合はすぐに受診をお勧めします。
それ以下の熱や鼻水などの症状で考えられる原因を知っておきましょう。
様子を見ているうちにおさまることもあるため、病院を受診する前に、まず以下のことをチェックしてください。
赤ちゃんの平熱を知ろう
大人と違い、赤ちゃんの平熱は高めです。
個人差はありますが、子供によっては37度~37度5分くらいの場合もあります。
自分の子供の平熱を知るためにも新生児の時期は特に体温を朝・昼・晩と計っておきましょう。
また発熱以外にいつもと変わった症状がないか、チェックすることも大切です。
新生児の熱が高い理由
新生児はまだ自律神経が発達しておらず、体温調節を上手に行うことができません。
そのため以下のような理由で熱が上がることがあります。
- 厚着をさせ過ぎ
- ご飯を食べた後
- 元気に体を動かした時
- 部屋の気温が高い
このように風邪でなくても熱があがることがあるため、どんな状況で熱が出たか考えてみましょう。
鼻水が出る時の意外な理由
新生児の風邪の症状で、熱以外に鼻水や鼻づまりもあります。
新生児に鼻水や声枯れがある場合の考えられる理由と受診の目安についてチェックしてください。
風邪や気温など一時的な症状
新生児ではほとんど稀ですが、3か月以下の赤ちゃんが全く風邪をひかないかというと可能性はゼロではありません。
軽い風邪の場合は鼻水が出たり声がかれることもありますが、いつも通りで元気があれば様子を見て慌てて受診しなくても良いでしょう。
また、赤ちゃんは鼻の穴が小さいので鼻腔が狭く、粘膜からの分泌物も多いです。
冷気や乾燥など、気温や外気の状況によって鼻くそがたまりやすく、それで鼻詰まりを起こしている可能性もあります。
そして、新生児の赤ちゃんには鼻毛がありません。
そのため埃や異物が鼻に入ると粘膜に直接刺激がいくため、よくくしゃみをします。
くしゃみが多いから風邪ということには直結しないので注意しましょう。
[関連記事]
≫赤ちゃんのくしゃみ・鼻水・鼻詰まりの原因や対処法について
ミルクの飲ませすぎ
新生児をはじめとする赤ちゃんの鼻水の原因に、ミルクの飲ませすぎも考えられます。
ミルクはあげすぎると過飲症候群と言い、赤ちゃんの体重が増えすぎて様々な症状が起こります。
赤ちゃんの胃は大人と違い真っすぐで、食道と胃の接合部分もまだ緩い状態です。
そのため、ミルクや母乳を吐き戻ししやすく、あげすぎると喉はもちろん鼻からもいつ乳が起こります。
それが原因で鼻詰まりや咳き込むことがあり、風邪と勘違いすることもあるようです。
大人も食べ過ぎると胃痛や下痢など様々な不調をきたしますが、赤ちゃんも同じことが言えます。
鼻水での受診の目安
風邪や気温の変化など、原因は様々ありますが、以下のような症状であればまずは耳鼻科に相談してみましょう。
- 1日中鼻が詰まったり鼻水がある
- おっぱいを飲むときに苦しそう
- 鼻水が睡眠の邪魔をしている
耳鼻科で鼻の吸引をしてもらえるか連絡してみましょう。
鼻水の吸引で直接的な原因を取り除くことは出来ませんが、赤ちゃんの不快感を取ることができます。
また市販で鼻の吸引器が売っていますので、通常、外出しない新生児の時期は市販の鼻水吸引器を使って、ママが取ってあげることをおすすめします。
[関連記事]
≫ご家庭でできる鼻水対策とグッズについて
病院に行くか迷ったらチェックしたい目安
病院に行くかどうか迷ったら、まずは発熱以外の症状を見てみましょう。
以下のような症状であれば、一旦、様子見で構いませんが、熱がある以上いつ変化するか分からないので慎重にチェックしてください。
- 機嫌が良い
- 顔色が良い
- いつもと変わらずミルクやおっぱいを飲む
- 授乳後熟睡し起きた後機嫌が良い
- おしっこやうんちが正常
一方、以下の症状がある場合は、すぐに病院に行くことをおすすめします。
- 熱が38度以上
- ぐったりしている
- 嘔吐や下痢を伴う
- 眠らずずっと泣いている
- 意識がもうろう
- けいれん
- 呼吸が苦しそう
- 顔色が悪い(血の気がなく青白い)
上記のような症状の場合、時間外でも受診できる小児科に行きましょう。
普段から近くにある時間外診療所の場所などをメモしておくとスムーズですよ。
3か月以下の赤ちゃんの発熱で考えられる病気
赤ちゃんの様子をママがしっかりと見て、少しでもおかしいと思ったら小児科で診てもらいましょう。
また新生児の赤ちゃんが発熱を伴う、下記のような病気についても知っておくと判断材料の一つになります。
- 中耳炎…耳を触ると痛がる
- 尿路感染症…機嫌が悪い
- 肺炎…呼吸が苦しそう
- 髄膜炎…機嫌が悪くなったり、食欲が低下する
- 敗血症…呼吸の乱れ(無呼吸や多呼吸)、脈の乱れ(頻脈もしくは徐脈)、黄疸等
疑いがあるのであれば早期の治療が必要ですが、特に病気の疑いがない場合でも熱があるなら一度は受診した方が安心です。
熱がある時にママがする対処法と病院で伝えること
赤ちゃんに熱がある場合にしておきたい対処法や、実際に病院に行く時に伝えることや準備品を説明します。
赤ちゃんの熱がある時
赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、風邪などの症状以外でも熱が出る場合もあります。
熱が出た場合は、まず下記の対処を行いましょう。
- 薄着にする
- 部屋の温度を下げる
- 汗をかいていたら着替えさせる
- わきの下や足の付け根を冷やす
布団のかけすぎや厚着で熱が出ている可能性もあります。
通常なら熱を出したらあったかくして、布団で眠るというのが対処法ですが赤ちゃんは違います。
赤ちゃんは汗をかく機能がまだ未発達なので、温めすぎると熱が体内にこもります。
まずは涼しくさせて、脱水を起こさないようおっぱいをきちんと飲ませましょう。
それで下がるようであれば、温めすぎの可能性もあるでしょう。
病院に行ったら伝えること
病院に行ったらまずは医師に伝えることがあります。
- いつ発熱したか温度など熱に関すること
- けいれんの有無
- 授乳や睡眠などいつもと違うこと
- 熱以外の症状があるかどうか(下痢や嘔吐など)
また病院に行く時に必要な物はこちらです。
- 母子手帳と保険証
- お金
- 体温変化のメモ
- おむつ
- おしりふき
- 湯冷ましなど水分
他にアフガンやおくるみ、タオルなど赤ちゃんをくるんでおく物があれば便利です。
まとめ
特に初めての子供の場合、新生児の時期に急に発熱や鼻水などの風邪症状があるとびっくりするのは当然のことです。
分からないからすぐに病院を受診したり、救急車を呼びたくなる気持ちは非常に分かります。
しかし、新生児の赤ちゃんの風邪症状は、実は菌やウイルスなどではなく体温調節ができないことや外気温による影響の可能性もあります。
今起きている症状以外に、赤ちゃんに変わった様子はないかママがチェックすることが大事です。
特に発熱はその子の平熱を知っておかないと、いつもと違う体温かどうかが分かりません。
そのためママは赤ちゃんのいつもの様子をしっかりと把握する必要があります。
また分からない時は市や区の自治体など、子育て相談窓口があったりしますので、一度相談してみるのも良いでしょう。
月齢が低いので、変だと思ったら自己判断せず誰かに相談することも大切ですね。
この記事を書いた人
古家後健太
<執筆者プロフィール>
化粧品成分検定1級合格(化粧品成分上級スペシャリスト)。ベビースキンケアと子育て情報の育児メディア『マンビーノ(mambino)』運営責任者。株式会社SANSHIN代表取締役。赤ちゃんのお肌の特徴を知れば、赤ちゃんこそスキンケアが必要なのがわかります。ですが実際はベビースキンケアの重要性は世間にあまり浸透していませんでした。赤ちゃんのお肌をトラブルから守るためには、しっかりと赤ちゃんのお肌に必要なケアを広める必要があると思い、2014年にオリジナルベビースキンケアブランド「Dolci Bolle(ドルチボーレ)」を立ち上げました。子供のお肌を守りたいというママやパパの想いに寄り添う化粧品をお届けします。
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提供:株式会社SANSHIN