公開日時:2019年4月16日 最終更新日:2020/05/27
赤ちゃんの目やにが出る時考えられる病気は?目やにが出る理由
ねんねから目が覚めた赤ちゃんの目に、よく目やにが付いていることがあります。
目には老廃物や埃、涙などが溜まるので目やにが出るのは普通ですが、多いなと感じた時に考えられる病気や上手な取り方を覚えておきましょう。
赤ちゃんの目やにが多いのは何故?
赤ちゃんの体は大人と違い、様々な部位がまだ小さく未発達です。
目に関しても、鼻涙管という管がまだ狭いために目やにが出やすい構造になっています。
そのため、目やにが出るのは通常から考えられることですので、体が発達するまではママが綺麗に取ってあげましょう。
体の構造上目やにが出やすい他にも、以下のようなことが考えられます。
- 汚れた手でこする
- 目の病気になっている
- 風邪など
大人は目をこする前に清潔にしようと自分で意識できますが赤ちゃんはそうはいきません。
おもちゃや色々な物を触った手で目をこすることも考えられます。
すると雑菌や目に小さな埃が入ることで、一時的に目やにが増えることも考えられるでしょう。
また目には先天性の病気や眼病など様々な病気を発症している可能性もあります。
目やにの多さが気になる時は小児科や眼科で相談してみると良いでしょう。
さらに風邪をひいた時や、夏に多い咽頭結膜熱(プール熱)というアデノウイルスが原因の風邪でも目やにが出ることがあります。
風邪の場合は熱や咳など他の症状もきちんと様子を見て病院に行きましょう。
赤ちゃんの目やにで考えられる病気
赤ちゃんの目やにで考えられる目の病気について知っておくと良いでしょう。
症状が当てはまるからと言って、必ずしも以下の病気だという訳ではありません。
似たような症状が見られる場合は、医師に相談してください。
先天性鼻涙管閉塞(せんてんせいびるいかんへいそく)
眼球の表面を潤す涙は眼頭にある涙管という穴に吸い込まれ鼻を通っています。
通常であれば問題なく通るのですが、鼻涙管に薄い膜が残ったまま産まれてくる赤ちゃんが稀にいます。
膜が残っていると、涙の行き場が無くなるためいつも涙目の状態になります。
うまく涙が流れず細菌感染を起こしやすくなるため、目やにが出ます。
細菌感染を起こした状態を新生児涙嚢炎(しんせいじるいのうえん)と言います。
赤ちゃんの症状としては以下が見られます。
- いつも涙目
- 目やにが多い
- 膿が出る場合もある
治療は抗生物質の含まれた点眼や、涙管通水検査を頻回行い涙嚢マッサージを行うことで自然に開通させます。
それで様子を見て開通しない場合は、プジーと呼ばれる鼻涙管開放手術を行います。
逆まつ毛
逆さまつ毛とは上、または下のまつ毛が眼球表面に触れるように生えている症状のことです。
赤ちゃんや子供のまぶたは厚みがあるので、特に逆さまつ毛になりやすいと言われています。
逆さまつ毛の時に見られる症状は以下になります。
- まつげが眼球に当たっているのが見える
- まぶしがる
- 涙の量が多い
- まばたきをよくする
- 目が充血しやすい
赤ちゃんのまつ毛は柔らかいので、眼球に毛が触れていても傷になりにくく、多くの場合は経過観察になることが多いようです。
成長と共にまぶたの皮膚が薄くなるため、自然とまつ毛が外側を向くようになります。
3、4歳になっても外側を向かない場合は毛も太く硬くなってくるため、処置が必要になるケースもあります。
埋没法や切除法という小さく切開して、直す手術が必要になる場合もあるでしょう。
逆さまつ毛を放置すると、眼球の傷が慢性化して角膜乱視を引き起こし視力の低下につながるので注意が必要です。
結膜炎(けつまくえん)
瞼(まぶた)の裏側や白目部分を覆っている結膜が炎症を起こす病気です。
原因としてアレルギーやウイルス、細菌などがありますが赤ちゃんや子供に多いのはウイルス性結膜炎です。
特にアデノウイルスが原因の咽頭結膜炎(プール熱)は症状として目やにが出る風邪なので、風邪を治すことも重要になってくるでしょう。
結膜炎の症状は以下になります。
- 目やにが出る
- 白目が赤く充血する
- 瞼の腫れ
- 涙が多い
結膜炎の場合、点眼でほとんど早くに治りますが、放置すると涙嚢炎(るいのうえん)や涙嚢周囲炎を引き起こす場合もあります。
結膜炎を疑ったらきちんと診察を受けましょう。
ママができる赤ちゃんの目やにの上手な取り方
赤ちゃんは体の構造上、目やにが出やすいので放置せずママがしっかりとケアをしてあげることが重要です。
上手に取らないと傷をつけてしまうこともあるため、目やにの取り方と上手く行うコツをお教えします。
基本の目やにの取り方
赤ちゃんの目やにを取る時に準備する物はガーゼですが、右目用と左目用どちらも用意したほうが良いでしょう。
例えば、左目だけが結膜炎を起こしている場合、左目に使ったガーゼで右目を拭くと右目もうつる可能性があるからです。
また生後1ヶ月未満で沐浴を行っている場合、ガーゼで顔を拭きますが目やにを取る時は同様に2つ用意するか、ガーゼの場所を変えて拭くように心がけてください。
ガーゼの巻き方はこちらを参考にしましょう。
- お湯でガーゼを濡らして絞る
- 親指か人差し指にかぶせる
- 残りの指でガーゼを引っ張りながら巻き付けてケアする
ガーゼは洗濯すれば問題ありませんが、日に何度も目やにを拭くのであれば目専用のガーゼを最初から作っておくと良いでしょう。
より赤ちゃんが安心してケアを受けられるように日頃からママが気を付けたいですね。
目やにを取る時は赤ちゃんをくるむ
新生児の赤ちゃんならまだじっとしているかもしれませんが、赤ちゃんは成長と共によく動くようになります。
寝返りやハイハイができるようになるとじっとしておらず、おむつ替えでさえ大変な時期もありますよね。
目やにを取る時はアフガンや大判のタオルで赤ちゃんをくるんで固定させることが大事です。
タオルの巻き方は、ママから向かって右側の目やにを取る際は左側のタオルを先に赤ちゃんに巻き付け、次に右側を巻きます。
右側のタオルが上に大きくかぶさるので、手が出しにくく固定されやすいためケアしやすくなります。
向かって左側を行う際は逆の巻き方で巻くとケアしやすいでしょう。
よく観察しながらケアしましょう
目のどの部分に目やにが出ているのか、しっかりと観察することがポイントです。
赤ちゃんの目は小さいので見えにくいのですが、明るい場所で様々な角度から目を観察してみると分かりやすいでしょう。
目やにを取るのは見えている部分のみ
過剰に目をこすったり無理やり奥の方まで取ろうとするとかえって赤ちゃんの目を傷つけかねません。
そのため完璧に取ろうとせず、見えている範囲内の目やにを取るだけで構いません。
赤ちゃんの機嫌が悪く泣いている時は、無理せず次の機会を狙いましょう。
まとめ
どんなこともそうですが、目に関してもママが普段の様子をしっかりと観察することで異常に早く気づけます。
いつもと違って目をこする仕草をよくしているのなら、何か違和感を訴えているのかもしれません。
また普段よりも明らかに目やにが多い、また目やにの色が黄色っぽいと感じた場合は何かの病気になっているかもしれません。
目の症状は眼科ですが、赤ちゃんの場合は他の病気が原因だったり、先天性の病気の可能性もあるためまずは小児科に相談するのが基本です。
異常にまぶたが腫れていたり、目の充血がひどい場合は早めに受診しましょう。
受診するか迷う時は地域の電話相談窓口に電話して、指示を仰ぐと良いでしょう。
目やには成長と共に少なくなってくるものですが、赤ちゃんに多い病気なども知っておくといざという時ためになりますよ。
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