公開日時:2019年5月23日 最終更新日:2021/08/27
赤ちゃんの乾燥肌の原因とは?症状の特徴や対策について
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赤ちゃんは乾燥肌になりやすい傾向にあります。
大人の肌よりもデリケートで皮脂の分泌量も少ないです。
乾燥する空間や季節、環境によってすぐにカサカサ、白い粉が出てしまいがち。
大人がきちんと皮膚のバリア機能を保てるようお肌の保湿ケアを行う必要があります。
ここでは赤ちゃんの乾燥肌になる原因と症状、ケアについてまとめました。
赤ちゃんが乾燥肌になる原因
赤ちゃんのお肌は、玉子のようにツルツルしていると思いがち。
でも実はとてもデリケートで乾燥しやすいのが特徴です。
乾燥しやすい事を親が知らないと、お肌の変わった症状が出るたびに不安な気持ちになる事と思います。
赤ちゃんの肌が乾燥しやすい原因と特徴を知っておきましょう。
成人より皮脂の量が少ない
赤ちゃんのお肌は成人よりも皮脂が少ないです。
皮脂は肌の表面を覆うことで、肌内部の水分が外に出ていかないようにする働きをしています。
また外部からの様々な有害物質が入り込むのを防ぐ役割もあります。
生後2~3カ月頃までは皮脂の分泌が多いですが、生後3か月以降は急激に皮脂の量が減少するため、お肌が乾燥しやすくなるのです。
バリア機能が低い
肌の表面にある角質層には、外部の刺激から守ったり水分が外に出ていくのを防ぐ役割があります。
しかし赤ちゃんの肌は未成熟で、角質層に隙間ができやすい上に剥がれやすい特徴があります。
つまり外部からの刺激を受けやすく、肌内部の水分も蒸発しやすい状態のため、乾燥肌になりやすいのです。
また皮脂の働きとしてバリア機能があります。
- お肌が保持している潤いを外に逃がさない
- 外部からの刺激などからお肌を保護する
- お肌のpHを弱酸性に保つ
PH値が弱酸性に保っているとお肌も正常に機能するのですが、皮脂が少なくなるとPH値がアルカリ性に傾き、お肌のバリア機能が低下してしまうのです。
季節による変化
季節ごとによってお肌の乾燥と深い関係があります。
【乾燥肌になる季節要因】
- 春:寒暖差、気候も変わりやすい、花粉やほこりが舞う
- 夏:紫外線、高温、多湿、室内のクーラー
- 秋:夏のダメージの表出、発汗量の低下
- 冬:空気の乾燥、寒さによる血行不良
特に赤ちゃんのお肌は季節の影響を受けやすいです。
敏感に反応してお肌の湿疹や炎症が出てしまう場合も少なくありません。
赤ちゃんの乾燥肌の主な原因として皮脂が少ない傾向にあり、バリア機能が低く、季節変化が要因になる事を覚えておきましょう。
赤ちゃんのお肌の特徴を知っておこう
乾燥肌になってしまう環境要因や原因については基本的に大人と一緒です。
ただ赤ちゃんのお肌はデリケートです。
赤ちゃんが乾燥肌にならないように特徴を知っておく必要があります。
大人と違って刺激を受けやすい
皮膚の構造は体表から順に表皮と真皮、皮下組織で成り立っています。
大人の1番上の表皮の厚さは0.2~0.3mmほどですが、赤ちゃんの場合は0.1~0.2mmほどと大人の約半分の薄さしかありません。
また肌内部の水分量も大人よりも少ないです。
そのため外部からの刺激に弱く、乾燥しやすいのです。
しかし大人よりも汗をかきやすいので、乾燥以外にもあせもなどの肌トラブルも起こりやすいのが特徴です。
生後3か月前後の特徴
生まれて間もない時期の赤ちゃんの肌は、ママのお腹にいた頃のホルモンの影響を受けています。
生後3カ月頃まではママのホルモンの影響が体内に残っているため、皮脂の分泌量が多いのです。
ですから乾燥肌になる心配は少ない傾向にあります。
ただ生後4か月頃からホルモンの影響がなくなり皮脂の分泌がグンと減少するので、乾燥肌に注意する必要があるのです。
赤ちゃんの乾燥肌の症状
ここからは赤ちゃんの乾燥肌の症状についてご紹介します。
保湿ケアを怠って赤ちゃんが肌を掻きすぎたりすると、症状が悪化して乾燥性湿疹などを引き起こす事もあります。
悪化しないように早めに対処しましょう。
できやすい身体の部位を把握!
生後4か月以降のママのホルモンの影響がなくなった赤ちゃんの肌は、季節を問わず乾燥しやすくなっています。
その中でも顔や腕、脚などは特に乾燥しやすいため、しっかりケアをすることが大事です。
特に視覚から隠れやすい部分は十分に注意しましょう。
肘の裏側は摩擦が起きやすい
肘の裏側は、衣類との摩擦によって乾燥が起こりやすいです。
また隅々まで保湿ケアをしにくいというのも、乾燥しやすい原因の1つ。
肘の関節の部分もケアをするようにしましょう。
汗をかきやすく汚れが溜まりやすいため、あせも等の湿疹にも気をつける必要があります。
膝の裏側も同様に注意
膝の裏側も肘の裏側と同様に、衣類によって摩擦が起こりやすいです。
また肘の裏や膝の裏には、湿疹が起こるケースも多々あります。
一般的にこの場合は強い痒みも伴うため、赤ちゃんも不快感を覚えるでしょう。
アトピー性皮膚炎を発症することも多い部位で、お肌の状態を注意深く観察することが大事です。
おしりは拭きすぎないように
赤ちゃんのお尻はオムツで包まれていますが、乾燥しやすい場所です。
お尻拭きでお尻を拭きすぎることにより皮脂や水分まで奪ってしまうのです。
使った後はしっかり拭き取り、保湿クリームを塗ったりして対策をすると良いでしょう。
顔は皮膚が薄い
顔は特に皮膚が薄いため、乾燥肌の症状が出やすいです。
冬は特に乾燥するので、赤くなったりブツブツができたり粉をふいたりすることが増えます。
また指しゃぶりをすることで摩擦が起こり、頬に湿疹などのトラブルが起こることもあります。
腕も皮脂が少ない部位
赤ちゃんの腕は皮脂が少ないため、新生児でも乾燥肌になる可能性があります。
沐浴や入浴の後は、特に入念にケアをしましょう。
お湯に浸かっているときは肌が潤っているように見えますが、お湯から上がると水分が蒸発して乾燥してしまいます。
水分を拭き取ったらなるべく早く保湿ケアをすることが大事です。
脚も注意して観察しましょう
脚も腕と同じように、皮脂が少ない部位です。
また衣類との摩擦も起こりやすいため、ケアをしないと乾燥が悪化することもあります。
特にオムツが当たりやすい太ももは、オムツの刺激によっても乾燥肌の症状が悪化しやすいです。
脚は粉をふいたようになったり、太ももは赤くなったりするケースが多いです。
乾燥肌になる初期症状には何がある?
赤ちゃんの乾燥肌は、なるべく初期症状の時に気付いてケアをしてあげることが大切です。
症状が悪化すると、赤ちゃんが辛い思いをしてしまいますよね。
以下の初期症状が現れたらすぐ対応しましょう。
白い粉がでる
皮脂の分泌が少ないため、皮膚の表面が乾燥して粉ふき芋のように白い粉が出ることがあります。
お肌の角層がはがれてしまったものが、粉をふいたような現象になってしまうのです。
痒みが生じる
乾燥が重症化すると、痒みが生じることもあります。
まだ赤ちゃんは自分で掻くことができないため、機嫌が悪くなったり眠れなかったり行動を起こします。
自分で掻けるようになると掻きむしることもあって、掻きすぎて皮膚感染症を引き起こす時もあるため注意が必要です。
またアトピー性皮膚炎の場合も、やはり痒みを伴います。
カサカサ症状
肌のカサカサは、乾燥肌のわかりやすい症状です。
恐らく多くのパパやママは、初めにカサカサの症状を発見することが多いでしょう。
触るまでもなく見ただけで乾燥していることが解ってしまう時も少なくありません。
ザラザラの手触り
カサカサ状態がさらに進行して、ザラザラの手触りになる状態があります。
かかとに関してはひび割れたような状態になることも。
さらに乳児湿疹によってニキビのような湿疹ができているため、二の腕や背中がザラザラしてしまうケースもあります。
乾燥肌が重症化してしまうと
乾燥肌がどんどん進行すると、主に3種類の疾患を発症するリスクが高まります。
強い痒みや痛みを伴うこともあり、赤ちゃんも不快な思いをします。
治療期間が長くなる疾患もあり、乾燥肌を放置するのは危険です。
皮膚感染症も症状
乾燥によって痒みが出ると、顔を布団に擦りつけたり手で掻きむしったりすることも。
もし掻きむしった部分に傷ができ細菌が付着すると、ジュクジュクするような症状の皮膚感染症を引き起こす危険性が出てきます。
乳児湿疹になる
衣類の刺激やお肌のケア不足により乾燥肌の症状が進行すると、乾燥性湿疹を発症することがあります。
乾燥性湿疹の主な症状は以下の通り。
- 湿疹が出る
- 赤くなる
- 皮がむける
- 痒がる
また新生児の場合は皮脂が多く分泌されることが原因となりやすいです。
肌に赤い湿疹ができたり、頭や眉毛にかさぶたができたりする新生児ニキビや乳児脂漏性湿疹のような乳児湿疹を発症することもあります。
しかしほとんどの場合痒みは少なく、短期間で症状が治まります。
アトピー性皮膚炎になる
アトピー性皮膚炎も発症しやすくなるので注意しましょう。
次の部位に赤い湿疹やカサブタができることが多いです。
- 腕・脚
- 脚の関節
- 首
- 顔
乳児湿疹と見分けるのが難しく、湿疹症状が出たら早めに医師に診てもらいましょう。
病院にいく目安について
「赤ちゃんのお肌が乾燥しているというだけで病院に行っても良いの?」と思う人もいるかもしれません。
受診を躊躇する気持ちも理解できなくもないですが、悩んでいる間にどんどん赤ちゃんのお肌の症状が悪化することも。
ですから様子がおかしいなと思ったら、医師に診てもらいましょう。
病院に行ったほうが良い場合の症状をまとめたので、参考にしてください。
症状の目安を覚えておきましょう
やはり皮膚に炎症が見られる場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
例えば次のような症状が挙げられます。
- 赤くなっている
- 赤い湿疹ができている(赤いポツポツ)
- 痒がっている
これらの症状としては外用薬を塗って治療をするケースがほとんどです。
しかし中には、アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルが起こっていることもあるでしょう。
しっかり医師にきちんと診てもらう必要があるのです。
病院に行くときに知っておく事
病院に受診する際は、次のような点を医師に伝えるとスムーズに診察できます。
- 乾燥や炎症が出始めた時期
- 肌の状態(どのように変化しているかなども)
- 症状が見られる部位
- 家族にアレルギーがある人はいるか
他にも、気がついた事があったら手帳に書き留めておきましょう。
また小児科と皮膚科のどちらを受診したら良いか迷うこともあるかもしれませんが、基本的に5歳頃まではまず小児科に相談に行くことをおすすめします。
知っておくべき乾燥肌のケア
生後2~3カ月以降は、赤ちゃんも乾燥しやすいものと思って日頃から丁寧なケアをしましょう。
肌を清潔に保つ、保湿することを心掛けてケアしたほうが良いです。
今は乾燥していない時期だからとケアをしないのは絶対にNG。
これから先も乾燥肌にならないように、ケアを継続することが大事です。
清潔にすることが基本
保湿ケアする前にまず皮膚の表面についた汗や菌を洗い流すことが大切です。
赤ちゃんは代謝が活発で汗をかきやすいので、毎日顔と体を洗って清潔にしてあげましょう。
清潔な状態をキープしたいからと1日に何度も体を洗うと、かえって皮膚の水分を奪ってしまうことになるのでおすすめできません。
保湿を心がける
沐浴や入浴をした後は、水分が蒸発して肌が乾燥する前に素早く保湿剤で保湿をしましょう。
タオルで水分を吸い取ったら、顔や体全体にもれなく塗ることが大事です。
また快適な肌を保つために、季節に合った保湿剤を選んであげましょう。
なぜ保湿は必要か?を知っておきましょう
前述したように、赤ちゃんの肌は皮膚が薄くバリア機能も低下しています。
そのため肌の水分が蒸発しやすいのです。
外側から水分を補って、肌の水分量を高めてあげる必要があります。
肌内部が水分で満たされれば、バリア機能も整いやすくなります。
そうすると乾燥肌を防げるだけでなく外部からの刺激も受けにくくなるため、保湿ケアをすることが大事なのです。
十分なスキンケアを行ってほしい
沐浴や入浴の後にしっかり保湿ケアをしたとしても、肌の潤いが1日中続くわけではありません。
できるだけこまめに清潔にして保湿をするようにしましょう。
毎回服を脱がせて全身のケアをするのが大変なら、顔や腕などの露出している部分だけでも構いません。
お尻はオムツ交換をした後にケアすることが可能です。
こまめに保湿をすることを習慣づければ、赤ちゃんの乾燥肌も防げるはずです。
》ドルチボーレが考えるベビースキンケアの役割と製品に込めた想い
この記事を書いた人
古家後健太
<執筆者プロフィール>
化粧品成分検定1級合格(化粧品成分上級スペシャリスト)。ベビースキンケアと子育て情報の育児メディア『マンビーノ(mambino)』運営責任者。株式会社SANSHIN代表取締役。赤ちゃんのお肌の特徴を知れば、赤ちゃんこそスキンケアが必要なのがわかります。ですが実際はベビースキンケアの重要性は世間にあまり浸透していませんでした。赤ちゃんのお肌をトラブルから守るためには、しっかりと赤ちゃんのお肌に必要なケアを広める必要があると思い、2014年にオリジナルベビースキンケアブランド「Dolci Bolle(ドルチボーレ)」を立ち上げました。子供のお肌を守りたいというママやパパの想いに寄り添う化粧品をお届けします。
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提供:株式会社SANSHIN