公開日時:2015年4月20日 最終更新日:2019/09/18
実はカサカサ?赤ちゃんのお肌の6つの特徴とは?
赤ちゃん肌という言葉は大人が羨むようなプルプルのお肌の意味で使われることが多いです。
確かに赤ちゃんのお肌はプルプルはしていますが、実はお肌そのものはカサカサしている場合が多いのです。
赤ちゃんのお肌は大人とは異なる点があり、そのために肌トラブルが起こりやすくなっています。赤ちゃんのお肌の特徴を知り、適切なスキンケアをしてあげましょう。
大人より薄い赤ちゃんのお肌
お肌の構造は表面から順に表皮・真皮・皮下組織となっています。
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≫お肌の構造について
赤ちゃんは大人に比べ表皮や真皮が薄いとされており、特に生まれて間もない新生児期は最も薄い時期となります。
大人の場合は表皮の厚みは平均で0.2mmほどと言われていますが、赤ちゃんの場合は半分の0.1mm程度しかないとされています。
表皮はさらに皮膚表面に位置する角質層から順に、顆粒層、有棘層、基底層の4つの層からなっていて、スキンケアにも関係する角質層がとても重要となりますが、赤ちゃんの場合は表皮が薄いことから角質層も必然的に大人より薄い状態です。
大人よりもお肌のバリア機能が未熟
スキンケアの話になるとよく出てくる言葉として「お肌のバリア機能」があります。
お肌のバリア機能というのは身体の中にある水分が皮膚から漏れ出さないように守っていたり、お肌の潤いを保っていたり、外からのお肌への刺激をやわらげたり、異物が体内に侵入するのを防いだりと様々な役割を果たしています。
そして、このお肌のバリア機能を主に担っているのがお肌の最表面にある角質層と肌を覆っている皮脂です。
角質層についてはお肌の構造についての記事で詳しく解説しています。
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≫肌構造について
前述した通り、赤ちゃんの表皮は大人に比べ半分程の厚みしかなく、それに伴い角質層も薄くなっています。
角質層は潤いを保つ大切な層なのですが、その角質層が薄いということは蓄えている水分量自体が少ないということになります。
そのうえ、角質層自体も大人に比べて未熟な状態なので水分保持が大人よりも苦手です。
さらにお肌を覆っている皮脂膜に関しては生後3ヶ月頃を境に変化します。
生まれて間もない新生児期は皮脂分泌が盛んで過剰な皮脂で覆われがちで、3ヶ月くらいの期間を経て分泌量が次第に減っていきます。
生後3ヶ月以降になると今度は反対に皮脂分泌が大人よりも少なくなっていきます。
皮脂は油分なので水を通さない働きがあり、皮脂膜がお肌を覆うことでお肌の水分を外に逃がさない役割を果たしていますが、皮脂分泌量が月齢によって変わるなど不安定で、なおかつ生後3ヶ月以降は少なくなるといった状態です。
このようにお肌のバリア機能を担う角質層も未熟で皮脂分泌も不安定な赤ちゃんのお肌はお肌のバリア機能自体が大人に比べ未熟なお肌です。
お肌のバリア機能が未熟だと、刺激などに敏感となるため、ちょっとしたお肌への刺激が肌トラブルにつながる場合があります。
大人よりもカサカサ乾燥肌傾向なお肌
赤ちゃんのお肌は確かにプルンプルンとしていて、モチモチと弾力性が高いのですが、じっくりと赤ちゃんのお肌を観察すると潤いに満ちていて透き通っているというよりは、むしろカサカサしているお肌であることがわかります。
理由としては、前述した角質層が抱える水分量の少なさと角質層が未熟なことによって水分が失われやすいことが挙げられます。
さらに生後3ヶ月以降は皮脂分泌が減少するため、余計にお肌の潤いを失いやすくなり、カサカサとした乾燥肌になりやすい傾向があります。
お肌が乾燥すると様々な肌トラブルを引き起こしやすくなります。
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≫赤ちゃんの乾燥肌の原因と対策
汗孔の数は大人と同じ
お肌にある汗が出てくる穴のことを汗孔(かんこう)と言いますが、赤ちゃんは大人と汗孔の数が同じだけあります。
大人と赤ちゃんとでは、身体の表面積が全然違いますが、汗孔の数は同じということは赤ちゃんのお肌は汗孔が大人よりも密集しているということになります。
また、赤ちゃんは体温調節機能が大人よりも未熟です。
そのため、大人以上に発汗によって体温を調節しがちです。
汗孔が密集していて、発汗が多い汗っかきな赤ちゃんのお肌は汗まみれになりがちです。
汗が原因の肌トラブルと言えば汗疹(あせも)がありますが、赤ちゃんや小さな子供は汗疹ができやすいイメージがありますよね。
赤ちゃんや小さな子供に汗疹ができやすいのは大人と違ったお肌の特徴を持つからなのです。
生後3ヶ月頃までは過剰な皮脂分泌
前述した通り、生まれて間もない新生児期から生後3ヶ月頃までの期間の赤ちゃんは皮脂分泌が多くなりがちです。
皮脂分泌が多くなる理由は、お母さんの胎内にいた頃に受けていたホルモンの影響です。
ホルモンの影響が残っていて皮脂分泌が多くなりますが、生まれてからはお母さんからのホルモンの影響を受けることはありませんので、残ったホルモンの影響が失われれば皮脂分泌量もおさまっていきます。
つまり、生まれたばかりの時が最も影響を強く受けており、時が経つにつれ次第に影響が弱まっていき、皮脂分泌が治まっていくのが約3ヶ月の期間だというわけです。
生後約3ヶ月間の過剰な皮脂分泌そのものを抑える方法はなく、時が過ぎるのを待つのみとなります。
皮脂分泌が過剰な生後3ヶ月間は皮脂が原因の肌トラブルを起こしやすい時期でもあります。
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≫生後3ヶ月頃まで起こりやすい肌トラブル
新陳代謝が活発
細胞など古くなったものが新しいものに生まれ変わることを新陳代謝と言います。
お肌の表皮も基底層で作られた新しい細胞が徐々に表面へと上がっていき、角質層の一番上の肌表面まで上がって最後は垢(あか)となって剥がれ落ちるというターンオーバーを繰り返しています。
赤ちゃんの場合は新陳代謝が活発なので垢も多くなります。
垢はお肌にとっては不要な汚れなので、赤ちゃんのお肌の表面は汚れが多くなりがちです。
まとめ
赤ちゃんのお肌の特徴を6つご紹介しました。
- 皮膚が薄い
- バリア機能が未熟
- 乾燥しやすい
- 汗っかき
- 生後3ヶ月頃までは皮脂が多い
- 新陳代謝が活発
これらをまとめると、赤ちゃんのお肌は常に大人でいうところの「敏感肌」であり、月齢によっては「脂性肌」の時期や「乾燥肌」の時期があり、垢や汗などで汚れやすいお肌です。
要するに大人以上にデリケートなお肌が赤ちゃんのお肌なので、赤ちゃんこそスキンケアによってお肌をサポートしてあげないと様々な肌トラブルにつながりやすくなります。
赤ちゃんのお肌の特徴をしっかりと把握した上で、適切なスキンケアをしてあげてください。
この記事を書いた人
古家後健太
<執筆者プロフィール>
化粧品成分検定1級合格(化粧品成分上級スペシャリスト)。ベビースキンケアと子育て情報の育児メディア『マンビーノ(mambino)』運営責任者。株式会社SANSHIN代表取締役。赤ちゃんのお肌の特徴を知れば、赤ちゃんこそスキンケアが必要なのがわかります。ですが実際はベビースキンケアの重要性は世間にあまり浸透していませんでした。赤ちゃんのお肌をトラブルから守るためには、しっかりと赤ちゃんのお肌に必要なケアを広める必要があると思い、2014年にオリジナルベビースキンケアブランド「Dolci Bolle(ドルチボーレ)」を立ち上げました。子供のお肌を守りたいというママやパパの想いに寄り添う化粧品をお届けします。
化粧品成分上級スペシャリスト認定書
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