公開日時:2015年5月7日 最終更新日:2019/09/18
デメリットが多すぎる!乾燥肌による7つのデメリットと対策について
カサカサやガサガサ、粉吹き肌状態になった乾燥肌には、非常にたくさんのデメリットがあります。
もしかすると、乾燥とは全く無関係だと思っていたお肌の悩みも実は乾燥肌によってもたらされているかもしれません。
乾燥肌による様々なデメリットについて詳しくご紹介します。
乾燥肌による7つのデメリット
乾燥肌になることでお肌にどのようなデメリットが生じるのかをまず把握しておきましょう。
乾燥肌による7つのデメリットをご紹介します。
①痒みが生じる
乾燥肌になると肌に痒みが生じやすくなります。
痒みの発生メカニズムは未だ解明されていませんが、痒みを感じる神経に刺激が加わることで起こるとされています。
肌が乾燥すると、お肌に本来備わっている角質層と皮脂によるバリア機能が低下し、外からの刺激に過敏となります。
つまり、刺激を感じやすくなるため、痒みが生じやすくなると考えられます。
痒みはお肌に起こる症状の中でもとても厄介な症状と言えます。
なぜなら、
乾燥⇒痒みが生じる⇒掻きむしる⇒肌の角質が剥がれ余計に潤いを失いやすくなる⇒乾燥がひどくなる⇒ますます痒みに悩まされる
といった悪循環に陥りやすくなるからです。
乾燥による痒みによって掻きむしることが繰り返されるとお肌の表面はボロボロになり、掻きむしる刺激によって肌が黒ずみ、肌トラブルも起こりやすくなるなど、お肌の状態がどんどん悪化していく原因となりますので、注意が必要です。
②敏感肌になる
乾燥によって肌のバリア機能が低下すると、物理的・化学的刺激、アレルゲン、気温の変化、紫外線、花粉などの外的刺激によって炎症を起こしやすくなる敏感肌状態となります。
ちょっとしたことでヒリヒリしたり、赤くなったりしてしまうため、お肌に合う化粧品を探すのに苦労します。
また、乾燥性敏感肌という言葉があるように、乾燥肌と敏感肌は非常に密接な関係があります。
とにかく様々なことでお肌がダメージを受けやすくなり、肌トラブルにつながります。
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≫敏感肌について
③老けて見える
乾燥肌というのは見た目もカサカサして見えることが多いように、お肌の潤いが失われている状態です。
そんな状態が続くと「みずみずしさ」のない老けた状態に見えるようになってしまいます。
またお肌のハリ・ツヤ・透明感というのはお肌の潤いなどによってもたらされるものなので、お肌から水分が抜けることにより、シワやたるみ、ほうれい線なども酷くなりがちです。
10~20代前半くらいまでは新陳代謝も活発で、お肌自らのチカラによって美肌を保てるかもしれませんが、年齢を重ねるにつれて徐々にお肌自らの美肌を保つチカラが衰えていきます。
20代後半~30代以上になるとお肌を老化から守るためのエイジングケアとして、乾燥肌対策にも力を入れた方が良いと言えるでしょう。
シワやほうれい線に悩む方の中には、コラーゲンやプラセンタなどを一生懸命塗り込んで対策される方も多いですが、老け顔の根本原因が「乾燥」であることを知っておきましょう。
④ターンオーバーに不調をきたす
お肌には表皮、真皮、皮下組織と大きく分けて3つの層がありますが、表皮にはさらに4つの角質層、顆粒層、有棘層、基底層に分かれています。
表皮の基底層で作られた細胞が徐々に上の層へと上がっていき、最終的に角質層の最表面であるお肌の表面となり、古くなり、垢となって剥がれ落ちるという一連の流れをターンオーバーと言います。
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≫お肌の構造について
通常であれば、ターンオーバーは約28日間のサイクルであり、加齢とともにターンオーバーのサイクルは長くなってくるとされています。
乾燥肌はこのターンオーバーに不調をきたします。
乾燥肌になると、基底層で作られる新たな細胞が未熟な状態なため、角質層に上がってきた際にお肌の潤いを守るために必要な細胞間脂質や天然保湿因子が不足しており、潤いを保つことができなくなり、余計に乾燥肌を悪化させます。
⑤くすみの原因となる
お肌が潤いに満たされていると、透明感があってみずみずしく見えます。
乾燥肌の場合、お肌の潤いが失われてしまった状態なので、透明感がなくなり、くすんで見えます。
また乾燥肌によってターンオーバーが乱れることにより、本来剥がれ落ちるべきお肌の古い角質層が剥がれずにお肌の表面に溜まっていくことで余計にくすみがひどくなり、お肌自体もゴワゴワした感じになっていきます。
古い角質が肌表面に蓄積されていき角質層が厚くなった状態を「角質肥厚」と言います。
⑥ファンデーションが綺麗に塗れない
乾燥肌はボロボロのスポンジと同じ状態になっているため、どんなに綺麗に塗れるファンデーションを使っても、綺麗に仕上がることはありません。
またカバー力が強いファンデーションなどは吹き出物などの肌トラブルも起こりやすくなりますので、まずは乾燥肌をケアすることに集中してから、通常のお化粧へとシフトしていくことが必要です。
⑦大人ニキビができやすくなる
乾燥が酷くなった肌は皮脂バランスが崩れやすくなるため、大人ニキビ(吹き出物)ができやすくなってしまいます。
乾燥性脂性肌という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
別名「インナードライ」とも言われていますが、一見するとオイリーな脂性肌に見えますが、実は皮脂で隠れているお肌自体は潤いが不足し、乾燥肌な状態にあるお肌を言います。
この状態は、失われた潤いをそれ以上失わないようになんとかカバーしようと応急処置として皮脂をたくさん分泌することにより補おうとする防衛本能によるものですので、「オイリー肌ではなく乾燥肌である」という認識を持つことが必要です。
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≫インナードライ肌について
皮脂の分泌を抑える化粧品を使ってしまうと、更なる乾燥による肌トラブルの悪化に繋がります。
乾燥肌対策に必要な保湿の種類
乾燥肌には保湿が大事。これは多くの方が知っていることだと思います。
ですが、保湿と言っても種類があることはご存知でしょうか?
保湿の種類を知ることは乾燥肌対策を考える上でとても重要です。
ポイントは「潤い」「保水」「油分」です。
潤いを与えるだけでなく保水が大切
例えば、砂漠に水を撒いてもすぐに乾燥してしまいます。
なぜなら、砂漠はほとんどが砂でできていて、砂というのは有機物を含まない砕けて小さくなった岩石であり、保水力がほとんどありません。
一方で、畑の土に水を撒くと長時間湿った状態が続きます。
これは土は砂以外にも生物の死骸や落ち葉、腐敗した植物、微生物などの有機物が含まれ、保水力があるため、潤いを維持できているわけです。
極端な言い方ですが、乾燥肌というのはまさに砂漠のような状態になったお肌です。
本来のお肌というのは角質層に存在している天然保湿因子と呼ばれる保水成分が水を保持し、その天然保湿因子の周りを細胞間脂質が取り囲むことで潤いを逃がさないようにしています。
乾燥肌は天然保湿因子や細胞間脂質が不足した状態なので、単純に水を与えても保水することができず、すぐに乾燥してしまいます。
そのため、乾燥肌の保湿ケアとしては、保水成分をしっかりと含んだ保湿化粧品を用いることが大切です。
保水成分としては下記のような成分があります。
- グリセリン
- BG
- ペンチレングリコール
- プロパンジオール
- ベタイン
- ヒアルロン酸
- PCA-Na
- アミノ酸
- 尿素
- 乳酸Na
保持した水を閉じ込める油分
ご存知の通り、水と油は混ざり合わず、油は水を通さないため、油によって水を閉じ込めることができます。
水と保水成分によってお肌に与えた潤いを外に逃さないためにお肌の表面を油分で覆うことも乾燥肌対策には必要です。
油分成分としては下記のような成分があります。
- ホホバオイル
- シアバター
- ココナッツオイル
- アルガンオイル
- ミネラルオイル
- 流動パラフィン
- 馬油
おすすめの乾燥肌対策ケア
上記で説明した保湿の種類を踏まえると、乾燥肌には「潤い」「保水」「油分」のいずれも欠かすことができないことが分かって頂けると思います。
スキンケアの基本は「足りないものを補うこと」なので、乾燥肌に足りない潤い・保水・油分をバランスよく補ってあげましょう。
基礎化粧品には
- 化粧水
- 乳液
- クリーム
- 美容液
- オイル
といった種類があります。
一般的に
化粧水>乳液>クリーム>オイル
※美容液はメーカーによって化粧水よりだったり、クリームよりだったりとタイプが異なります。
の順番で水分が多くなっており、反対に油分が少なくなっています。
そのため、乾燥肌のスキンケアとして化粧水を使う場合はクリームやオイルで油分も補うことで保湿効果の持続につながります。
乳液タイプの場合、水分と油分をバランスよく補うことができ乾燥肌対策におすすめです。
乾燥がひどかったり、乾燥がちな季節の場合はクリームやオイルの重ねづけをすることで保湿力を高めることができます。
乾燥肌スキンケアの注意点
乾燥肌のケアとしては保湿が大事ですが、保湿には種類があり「潤い」「保水」「油分」の3つをバランスよく補うことがポイントとなりますが、もう一つ注意しておきたいことがあります。
乾燥肌の場合、デメリットの1つでもある敏感肌でもあるケースが多く、化粧品に配合されている成分がお肌に合わないケースも多いです。
そのため、敏感肌にもやさしい使用感の化粧品を選びましょう。
やさしい使用感の化粧品選びの際は
- 配合成分はお肌へのやさしさを考慮し厳選されているか
- 配合成分の数はシンプルか
- 潤い・保水・油分をバランスよく補えるか
といったポイントを確認しましょう。
乾燥肌の場合はお肌のバリア機能が低下しており、アレルゲンなどが侵入しやすくなっていますので、なるべくアレルゲンがカットされた化粧品であることも大切です。
スキンケアだけが乾燥肌対策ではない
乾燥肌対策といえば、化粧品による保湿スキンケアばかりが注目されがちですが、乾燥肌の原因は身体の内側にある場合もあります。
乾燥肌を引き起こす内的要因としては
- ストレス
- 栄養不足
- 睡眠不足
- 暴飲暴食
- 血行不良
などがあります。
スキンケアはあくまでもお肌が本来の調子を取り戻すためのサポート役です。
正常なお肌の細胞が作られるために必要な栄養が不足していて、正常な細胞が生み出されていない状態でどれだけ適切なスキンケアを行っても根本的な乾燥肌対策とはなりません。
スキンケア以外の日々の生活習慣についても見直すことが必要です。
まとめ
乾燥肌はデメリットのオンパレードです。
お肌に合う化粧品が少なくなり、化粧品ジプシーになったり、肌荒れが起こりやすくなったり、シワ・たるみ・ほうれい線・くすみなどによって老けてみえたり、化粧ノリが悪くなったりと悩みを生み出す最大の原因となります。
そして、乾燥肌を放置すると自然と改善されていくどころか、悪循環に陥ることがほとんどです。
そのため、お肌が乾燥していると感じた場合は早めに対処することが大切です。
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この記事を書いた人
古家後健太
<執筆者プロフィール>
化粧品成分検定1級合格(化粧品成分上級スペシャリスト)。ベビースキンケアと子育て情報の育児メディア『マンビーノ(mambino)』運営責任者。株式会社SANSHIN代表取締役。赤ちゃんのお肌の特徴を知れば、赤ちゃんこそスキンケアが必要なのがわかります。ですが実際はベビースキンケアの重要性は世間にあまり浸透していませんでした。赤ちゃんのお肌をトラブルから守るためには、しっかりと赤ちゃんのお肌に必要なケアを広める必要があると思い、2014年にオリジナルベビースキンケアブランド「Dolci Bolle(ドルチボーレ)」を立ち上げました。子供のお肌を守りたいというママやパパの想いに寄り添う化粧品をお届けします。
化粧品成分上級スペシャリスト認定書
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提供:株式会社SANSHIN