公開日時:2019年1月18日 最終更新日:2019/09/18
冬にフケや乾燥などの頭皮トラブルが起こりやすいのはなぜ?対策は?
一年の中でも特に冬に頭皮トラブルが多いと感じませんか?
冬になると頭皮が乾燥し、ひどい場合だと頭に触れるとパラパラとしたフケが降ってくる状態へと悪化します。
また、頭皮の乾燥は頭皮の痒みを引き起こすことも多いので注意が必要です。
ではどうして冬に頭皮トラブルが起こりやすいのでしょうか?
冬の寒さが血行不良を招き頭皮乾燥につながる
一年の中で最も寒い季節が冬ですが、寒いと体が冷えてしまい、冷えにより血管が収縮し硬くなることで血流が悪くなってしまいます。
血流が悪くなるとどのようなデメリットがあるのでしょうか?
血行不良のデメリット
血管の中には血液が流れていますが、血液の役割をご存知でしょうか?
血液には様々な役割がありますが、大事な役割として血管内を流れ、体の隅々に「栄養」を届けるという役割があります。
食事をすると胃などで分解されていき、腸で吸収され栄養が血液内に取り込まれます。
取り込まれた栄養は血流に乗って全身に運ばれ必要な箇所に届けられます。
しかしながら、冷えによって血管が収縮し硬くなると血流が悪くなり、栄養が必要な箇所に運ばれず、栄養不足となります。
頭皮の栄養不足がもたらす乾燥地肌
血行不良が頭皮で起こると、頭皮に必要な栄養が不足するため、健やかな頭皮が保てなくなります。
皮膚の表面にある角質層は潤いを保つのに重要な役割を果たしていますが、潤いは角質層内にある天然保湿因子や細胞間脂質によって保たれています。
頭皮の栄養不足は天然保湿因子や細胞間脂質が作られにくくなり、潤いを維持できなくなるため、頭皮が乾燥しやすくなります。
頭皮の乾燥が悪化すると皮膚表面の角質層が剥がれ、パラパラとしたフケとなります。
筋肉のコリが血行不良を加速させる
冬の寒さがもたらすのは血管の収縮だけではありません。
寒いと筋肉が硬直し、硬直した状態が続くとコリとなり、血流の妨げとなります。
冷えによる血管の収縮に加え、筋肉のコリによってさらに血流が悪くなり、血行不良を加速させます。
頭皮の血行不良は抜け毛や薄毛の原因にも!?
頭皮の血行不良によって栄養不足状態に陥ると頭皮の乾燥など頭皮環境の悪化へとつながりますが、それだけではありません。
髪を育むためにも栄養は必要なので必要な栄養が不足するということはハリ・コシ、ツヤのある髪が作られにくくなり、細く、コシがなく、ツヤもないパサパサとした髪が作られやすくなります。そのため、抜け毛やそれに伴う薄毛の原因にもなりえます。
冬の頭皮トラブルの対策は?
冬の寒さはこれまで紹介したとおり、髪や頭皮に様々なトラブルを引き起こす原因となりえます。
冬は寒いものなので寒さ自体はどうにも対策しようがありませんが、寒さによってもたらされた頭皮の血行不良を放置していると頭皮環境をどんどん悪化させ、頭皮トラブルにつながります。
ではどのように頭皮の血行不良を対策すれば良いのでしょうか?
頭皮マッサージを行う
特に意識していなければ頭皮を動かすことなく過ごしている方がほとんどだと思います。
動かさないと頭皮周辺の筋肉が凝り固まり血行不良を招くため、マッサージによって頭皮をほぐしてあげると良いでしょう。
まず頭皮が硬くなっているかどうかチェックしましょう。
チェック方法としては頭皮を両手の掌で覆って前後左右に動かしてちゃんと動くかどうかを確認します。
あまり動かないようなら相当頭皮が硬くなっていますので、血行不良の状態である可能性が高いです。
では頭皮マッサージの手順を見ていきます。
- 1.手で耳を覆うようにし、手の腹部分で頭皮部分を上下に動かす
- 2.そのまま頭頂部に向かって徐々に移動させながら手の腹部分で上下に動かす
- 3.頭頂部まで移動したら、頭頂部にある百会(ひゃくえ)というツボを押す
- 4.前頭部(おでこと髪の生え際の境目部分)の真ん中部分に手の腹を当てて上下に動かす
- 5.そのままこめかみに向かって徐々に横に移動させながら手の腹で上下に動かす
- 6.こめかみまで移動したらこめかみ部分に掌を当てて回すようにマッサージ
- 7.頭皮全体を動かしたり、10本の指先で軽く刺激を与える
マッサージを行う際の力加減ですが、強すぎると逆効果なので、痛気持ちいいくらいの力で行いましょう。
また、上下や円を描くように動かすのも多ければ良いというわけでもありませんので、それぞれ6~10回程度を目安にしましょう。
ツボは百会以外にも頭には多くのツボが存在しますので、興味がある方はツボについて学ばれてみてはいかがでしょうか?
ツボを押す際には3~5秒グーっと押して離すというのを3回程度繰り返すと良いでしょう。
頭皮以外のコリもほぐす
頭皮マッサージによって頭皮の血流を良くすれば栄養がちゃんと行き届くのかというとそういうわけでもありません。
血液は全身巡っていますので、体のどこかに血行不良な箇所があると頭皮にしっかりと栄養を運ぶことができない可能性があります。
普段オフィスでデスクワークをされていて運動不足だったり、姿勢が悪く猫背だったりすると腰や肩・首が凝りがちです。
体操やストレッチ、またはウォーキングなど運動を行うことで体全体の血流を良くすることができますので、生活に運動を取り入れることも大切です。
特に首・肩・目の周り・顎回りなどが凝っていると、血液は肩や首などを通って運ばれますので、肩や首の筋肉が凝っていても血流が悪くなり十分に頭皮に栄養が行き届きにくくなる可能性があります。
身体というのはどこかの部位に問題があるとバランスをとる為に、他の部位に無理を強いるなど、複雑な仕組みとなっています。
筋肉というのは動かすことでほぐれ血流が良くなりますが、肩や首が凝っているからといってその箇所ばかりを動かしてほぐそうとするのではなく、肩甲骨や腰など身体全体をストレッチなどでほぐしてあげることが大切です。
冷え対策をしっかりと行う
身体の冷えは血行不良の元となります。
頭皮の血流を改善するには全身の血の巡りを良くすることが大切なので、身体を冷やさないように寒さ対策を行いましょう。
冬の外出時にはマフラーを巻くなど防寒対策を行い、室内でも手足などの末端冷え性の場合は手足を温める工夫をしましょう。
また、入浴時にはシャワーだけで済まさず、しっかりと湯船につかって身体を温めてあげましょう。
シャンプー選びに意味はない?
冬の寒さによる血行不良で頭皮トラブルが起こっている場合は血行不良を解消するように頭皮マッサージや頭皮以外の筋肉のコリをほぐすことが最優先ですが、シャンプー選びが無意味というわけではありません。
シャンプーには洗浄成分である界面活性剤が配合されていますが、界面活性剤の種類によって洗浄力が異なるため、血行不良により乾燥がちな頭皮には洗浄力が強すぎないシャンプーがおすすめです。
洗浄力が強い界面活性剤を配合したシャンプーだと汚れだけでなく必要な皮脂まで落としてしまう可能性が高くなり、より一層頭皮の乾燥を加速させる恐れがあります。
シャンプー後のお肌の潤いはシャンプーに配合されている保湿成分も重要ですが、いかに潤いを守って洗い上げるかによって違ってきますので、頭皮の乾燥対策としてはシャンプー選びは重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
冬に頭皮トラブルが多くなるのには寒さによる頭皮の血行不良というきちんとした理由があり、頭皮マッサージや運動・ストレッチ等の簡単な対策で頭皮の血行不良予防ができますので、是非試してみください。
もちろん、冬の頭皮トラブルの原因が全て血行不良によるものとは限らず、それ以外の原因によるケースも考えられますので、自己判断に頼らず専門の医療機関を受診することも大切です。
この記事を書いた人
古家後健太
<執筆者プロフィール>
化粧品成分検定1級合格(化粧品成分上級スペシャリスト)。ベビースキンケアと子育て情報の育児メディア『マンビーノ(mambino)』運営責任者。株式会社SANSHIN代表取締役。赤ちゃんのお肌の特徴を知れば、赤ちゃんこそスキンケアが必要なのがわかります。ですが実際はベビースキンケアの重要性は世間にあまり浸透していませんでした。赤ちゃんのお肌をトラブルから守るためには、しっかりと赤ちゃんのお肌に必要なケアを広める必要があると思い、2014年にオリジナルベビースキンケアブランド「Dolci Bolle(ドルチボーレ)」を立ち上げました。子供のお肌を守りたいというママやパパの想いに寄り添う化粧品をお届けします。
化粧品成分上級スペシャリスト認定書
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提供:株式会社SANSHIN