公開日時:2019年2月1日 最終更新日:2020/05/27
産後うつは身近にあるもの?知っておきたい産後うつをまとめました
虐待の約4割が0歳児と言われているそうですが、その背景のひとつに産後鬱(うつ)が関係していると言われています。
虐待とはならなくても、辛い現状を言えないママはたくさんいるので他人事ではありません。
何故、産後うつになってしまうのか、原因や対処法を知り参考にしましょう。
産後うつってどんな症状?こんな兆候は要注意!
産後うつはどんな症状なのかを詳しく記載していますので、兆候が現れたらまずは産後うつかもしれないと自分を客観視してみましょう。
産後うつとは?
産後うつとは赤ちゃんを産んでから起こる心境の変化で、何に対しても後ろ向きな考えになったり物事への関心がなくなることを言います。
初産婦に多いですが、必ずしも経産婦がならないとは限りません。
特に産んですぐよりも産後3週間ごろから半年くらいの間に発症することが多いようです。
問題なのは通常のうつよりも不安感や焦りの度合いが重く、発症すると重度のうつになる傾向もあると言われています。
こんな兆候が出たら要注意
産後うつかもしれないと思ったら、以下のチェックを行ってみましょう。
- 寝付けないもしくは寝すぎる
- 赤ちゃんが可愛くない
- 気分の浮き沈みが激しい
- 涙が出やすい
- イライラしやすくなった
- 自殺や死を考える
- 自分が良いママではないと不安になる
- 無気力で集中力がない
- 以前楽しんでいたものが楽しくない
上記は一例で、うつ症状の出方には個人差があります。
そして上記の兆候に加え、それが2週間以上続き日常生活や育児がままならない場合、うつと診断されることが多いです。
産後うつになる原因を知ろう
産後うつになってしまう原因は様々あり、肉体的な辛さと精神面のストレス、またその両方が考えられます。
考えられる理由について詳しく見ていきましょう。
ホルモンバランスの乱れ
産後は妊娠中のホルモンが急激に減少し、ホルモンバランスが乱れます。
ただし、これは誰でも起こりうることでマタニティーブルーと呼ばれており、2週間程度でホルモンバランスが整えば自然に消えていくものです。
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》マタニティブルーとは?
産後うつはホルモンバランスの乱れと言われてきましたが、そうではなくママを取り巻く環境とママ自身のメンタルが関係していると見られています。
ホルモンだけじゃない?その他の原因とは?
もともとママが持っている気質やメンタル面での既住歴が関係しています。
例えば過去にうつになったことがある人や、家族でうつの方がいる人、妊娠中にうつになった経験のある人です。
その上さらに以下のような状況が原因になりやすいでしょう。
- 痔や骨盤の痛みなど肉体的な変化
- 授乳がうまくいかない
- 安静にしていたいのに働かなければならない状況
- 上の子のお世話がある
- パパとの関係が良くない
- 経済面で不安がある
- 周りのサポートが希薄
- 真面目で几帳面な性格
上記の症状がある人が必ずなる訳ではなく、産後うつにかかったママに多い傾向と言われています。
産後うつが赤ちゃんに与える影響
ママが自分を責めることは良くありません。
ですから、必ずしも産後うつが下記のような状況を引き起こしているという訳ではないので心配し過ぎる必要はありません。
産後うつが赤ちゃんに与える影響を前もって知る意味で説明します。
- 母乳が出なくなる
- うつのお薬で母乳を止めざるを得ない
- 赤ちゃんを可愛くないと思ってしまう
- 泣いている赤ちゃんを放置してしまう
- 叩きたくなる衝動が起こる
ストレスや薬の影響で赤ちゃんに母乳をあげられなくなることがあります。
また可愛くないと思うこともあるようですが、それが母親失格に繋がるのではありません。
きちんとミルクをあげ、おむつなど体調管理を行っていれば多少泣いていても問題ありません。
ただ赤ちゃんのお世話を何もしなかったり暴力を振るうようになると、健康に悪影響があるため、周りのサポートが必要になります。
周りのサポートが何よりの予防・改善になる
産後のメンタルケアについて、今はまだ対応してくれる専門的な機関が少ないのが現状です。
また産後にかかる検診費用も国がサポートしてくれている訳ではありません。
頼るところが少ないのですが、産後うつは周りのサポートがあれば十分事前に防げる可能性もあります。
- 周りとの関わりを増やす
- パパと育児や家事を分担する
- 数時間で良いので自分だけの時間を作る
上記は周りの少しのサポートと理解があればできることです。
「赤ちゃんのことで他人にとやかく言われたくない」と思う気持ちも分かりますが孤独を感じることが産後うつを引き起こす場合もあります。
両親やパパをはじめ、些細なことでも人との関わりを増やしましょう。
パパが忙しくママの時間が取れない場合は、支援センターに預けるサービスも利用できます。
周りの人は、ママの抱えている不安を聞いて受け止めてあげましょう。
1人の時間を持つことに罪悪感を持たせないことも大切です。
産後うつは一時の症状ではなく、病気の一種ですから治療を続けることが大切です。
また病気になったママをママ自身も周りも責めることなく、皆で支えて1人で苦しまないようにしてあげてください。
提供:株式会社SANSHIN