公開日時:2019年2月5日 最終更新日:2020/05/27
子供ができたらやっぱり禁煙しておきたい!?赤ちゃんへの影響を考える
子供ができたら、妊娠中のみならず出産後も禁煙をすることが必要です。
妊娠中に喫煙をすると赤ちゃんへの酸素や栄養の供給量が少なくなり、先天性の障害や死亡率が高まります。
また授乳中のママの喫煙も、高濃度の有害物質を含んだ母乳を赤ちゃんに与える可能性がありますので、気を付けなくてはいけません。
妊娠中の喫煙のリスクは広く知られているため、ここでは出産後に喫煙をすると赤ちゃんにどんな影響を及ぼすのかを中心に紹介していきます。
呼吸器系のトラブルが起こりやすい
喫煙を続けると呼吸器系の疾患が発症しやすくなることは、誰もが知っていることと思います。
しかし喫煙者が吐いた煙には、本人が吸い込む何倍もの有害物質が含まれています。
例えば血管を収縮させる作用のあるニコチンの濃度は2.8倍もアップするとされています。
発がん性物質のタールは3.4倍です。
ですから周りにいる人にも、多大な迷惑をかけてしまいます。
ましてや赤ちゃんは体が小さいので、その影響は計り知れません。
肺炎に関して、受動喫煙をしていない赤ちゃんよりも受動喫煙をしている赤ちゃんのほうが1.6倍ほど多く発症・入院をしているというデータもあるようです。
また喫煙者が吐いた煙は最低でも7mの範囲まで届くため、赤ちゃんから離れて吸っているつもりでも受動喫煙をさせている可能性が高いです。
赤ちゃんの睡眠時間が短くなる
赤ちゃんは眠るのが仕事と言われるように、本来ならばよく眠るものです。
生後1カ月頃の赤ちゃんは、寝たり起きたりを繰り返しながら1日15~20時間ほど眠るのが一般的です。
1回の睡眠では、2~3時間ほど眠る赤ちゃんが多いでしょう
生後3~6カ月くらいになると、1回に6時間くらい眠る子も増えてきます。
しかし受動喫煙をしている赤ちゃんの1回の睡眠時間は、その3分の1程度と言われています。
眠ってもすぐに起きてしまうのでは、質の良い睡眠をとることはできませんよね。
そのような状態が続くと成長ホルモンが分泌されにくくなるため、脳や体の成長を阻害することも考えられます。
ぐっすり眠れないと、赤ちゃんもぐずったり泣いたりするでしょう。
そうするとママもイライラして、また喫煙をするという悪循環を招いてしまいます。
歯茎の黒ずみや耳の炎症も起こりやすい
受動喫煙をした子供は、歯茎や耳にも何らかの影響が出ることが多いです。
例えば歯茎に関しては、黒ずみが目立ちます。
タバコに含まれる有害物質が原因で歯茎のメラニン色素が増え、色素沈着を起こしやすくなるのです。
それは大人になるにつれてより目立つ傾向にあります。
またタバコの本数が増えれば増えるほど、これらの症状は深刻なものとなります。
耳のトラブルとしては、中耳炎に注意が必要です。
耳管の機能が低下するため、耳の中が炎症を起こしやすくなるのです。
これらの症状は気が付きにくいため、見逃してしまうパパやママのほうが多いかもしれません。
SIDS(乳幼児突然死症候群)が起こる可能性が高くなる
SIDSは病歴や外的要因がないのにも関わらずある日突然亡くなってしまうものです。
SIDSで亡くなる赤ちゃんは、年間約400人もいます。
赤ちゃんの死因の上位に入っているため、他人事と油断できません。
うつ伏せ寝が原因でこのような事態になることが多いですが、仰向け寝でも起こることがあります。
赤ちゃんの寝方を含め考えられている原因はいくつかありますが、発症の原因の一つと言われているのが受動喫煙です。
日本においてSIDSで亡くなった約4割の赤ちゃんは、受動喫煙が原因と推定されています。
まだ解明されていないことも多いですが、禁煙をすればリスクを減らせることは確かです。
ADHD(注意欠如・多動性障がい)の発症リスクが高まる
子供のADHDは、妊娠中のママが喫煙をすることで発症のリスクが高まると考えられています。
しかし出産後でも、母乳を通じて有害物質が赤ちゃんの体に吸引されるため、影響が全くないとは言い切れません。
ADHDが疑われる子供の行動の一部を以下にまとめたので、チェックしてみましょう。
- じっとしていられない
- 気が散りやすい
- 音に敏感
- 1度喋り出すと止まらない
大体2歳頃からこれらの症状が現れてくるケースが多いため、赤ちゃんのうちに発見をするのは難しいかもしれません。
パパやママが気付いたときには、友達ができないなどの悩みを抱えていることもあります。
自分が原因で、子供にそんな思いをさせるのは辛いですよね。
ADHDは妊娠前の喫煙との関係性も疑われているため、子供に辛い思いをさせないためには妊娠を望んだときから禁煙をすることが大切です。
どうしても禁煙ができない場合はどうすればいい?
喫煙によって吐き出される煙は、赤ちゃんにとってデメリットしかありません。
わかっていても、どうしても禁煙できないというパパやママもいるかもしれませんね。
タバコを我慢しすぎたためにストレスが爆発し、赤ちゃんに八つ当たりしてしまっては大変です。
ですからそのようなときは、医師に相談してみましょう。
医師によっては1日何本までならOKなどと、少ない本数ならば喫煙を認めてくれることもあります。
ただその場合は、母乳を止めなくてはいけません。
例え1本であっても、タバコの有害物質はママの血液の中に高濃度で含まれるからです。
また必ず外で吸うなどの、いくつかのルールも守る必要があります。
まとめ
赤ちゃんは苦しくても、自分でその場から逃げることはできません。
ですからせめてその時期だけでもパパやママ頑張って禁煙をして、赤ちゃんを守ってあげましょう。
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